ランダムイラストご紹介5「瞬足に憧れていたあの日」
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運動会。そう、それは小学校の昼休みに本を一生懸命読んでいた僕にとっては辛い学校行事だった。
それもリレー。最悪だ。なんせ僕は足が遅いのだ。
赤組のみんなで力を合わせて走る。わかる。
みんなで頑張れば1位も狙える。まあわかる。
だからきりんは足が速くなれ。無理だ。
赤組みんなでの特訓が始まった。ぼくはいつもビリの方だ。
「きりん、もっと頑張れるぞ!」ほっといてくれ。
「きりん、最後まで走り抜くんだ!」息が続かないんだよ。
どうしても走れなかった。だから、走りたくなかった。
でも、走りたかった。本当は誰よりも走りたかったのだと思う。
運動会当日、リレーの競技になった。
バトンが渡される。僕は駆け出した。
無心で走る。ただ、ひたすらに。
次の選手にバトンを渡した。やっと呼吸ができた気がした。
最終結果は2位。青組に抜かされたのだ。
僕は悔しかった。
「きりん、頑張ったな!」僕は小さく頷いた。
画像は「いらすとや」さんより、「運動会のイラスト「リレーの選手・赤組」」です。